(「天使のママ」からの手紙)
「不妊」。何という言葉だろう。とても悲しく、子供だできない夫婦にとっては、言葉で言い表せない精神的苦痛を与えているのではないだろうか。私もついこの間まで、この言葉を否定したい気持ちと、いつまで続くか分からない病院通いに焦りを感じ、夫にも心ない言葉を投げかけ、傷つけていたに違いない。
私の場合、夫に異常はなく、原因を捜すためにも基礎体温をつけながら、いろんな検査を受けなければならない。しかし、たった2カ月で中止。「こんなことしなくても」という思いがあったからです。その後3カ月、基礎体温をつけていても妊娠しないため、再度病院へ。今思えば、この時、再開していなければ、まだ無駄な時を過ごしていたに違いない。
重い足取りで先生の元へ。診察を終えて帰ろうとした私に「休んだらダメだよ。」と先生の言葉。それから中止しようとは二度と思わなかった。「ここに来れば、赤ちゃんが授かる」という思いが頭に浮かんだのは、今でも覚えている。それからの私は、検査と平行して先生に指定された日に夫婦生活を、という日を毎日繰り返す。しかし、いつもうまくいくとは限らない。夫の協力が必要なだけに、仕事やその他の事で無駄になる時もある。そんな時は、さすがに落ち込み「私だけ頑張ってるだけ。夫は何を考えているのか」と、悲しくなった。
それでも続ける事は大切である。気分転換に旅行をした後、妊娠。だが、すぐ切迫流産で入院。それにも関わらず、妊娠9週目、突然胎児の心拍が止まってしまった。「どうして」。すごいショックで信じられない。病室に戻ると同じ病室の人達に、励まされた。何度か流産している人や、もっと辛い経験を聞かされ、「また、すぐ妊娠できる。頑張ろう。」と思い直すことができた。
体調が戻るのを待ち、再び病院へ。今度はすぐに妊娠。しかし、出血のため入院。その時は、以前の恐怖に入院をすることに抵抗を感じ、先生のお話も素直に聞けなかった。「入院してもダメなのに」と頭の中がグルグル回った。「入院しないとダメ」。先生の強い調子に、私は1カ月程入院。その間、「今日は大丈夫かな。」と心配しながらも「今度こそ。」という気持ちを持って頑張った。
自分ひとりではとても辛い。しかし、いろんな人と話をし、周りの人の温かい励ましがあったから乗り越えられたと思う。退院後、順調で、今元気に出産を迎えようとしている。私は、これまでの経験で思うことは、信頼できる先生に出会えたことと、入院したことで新たな友達を得ることができ、自分の気持ちの持ち方が変わったのが良かったと思う。今、不妊治療を受けている人、これからの人、悩んでいる人、それぞれに思いがあると思う。けれど「子供が欲しい。」という気持ちは皆同じです。あきらめず、授かると信じて頑張って下さい。私の経験でも役に立てればと思います。