
不妊治療は、よい主治医、よい病院を選べるかどうかで明暗がわかれます。選択をあ
やまらないためには、できるだけ多くの情報を収集するということが必要でしょう。まず
できることは、実際に病院に行ってみて、患者さんに聞いてみることです。
きちんと説明してくれるか
医師選びのポイントは、まず第一にきちんと「インフォームドコンセント」をしてくれる
医師であるかということです。インフォームドコンセントとは、医師が診断にあたって患
者に次の内容を伝え、患者がそれを理解、納得、同意し、治療に参加することをいいます
。その内容とは、
・診断の結果とそれに基づいた患者の現在の病状を正しく説明してくれること。
・治療に必要な検査の目的と内容を患者にわかる言葉で説明してくれること。
・治療の危険性の説明、成功の確率の説明、その治療処置以外の方法があれば説明すること。
・定期的に今後の方針を説明してくれること。
等であり、医師は単に伝えるだけではなく、患者が理解したことを確認しなければなりま
せん。これをきちんと行なってくれる先生であるかどうかということが、第一のポイント
です。
たとえば、ふつうの不妊治療からはじまり、それでうまくいかないときには人工授精を
やって、最終的には体外受精をやるとか、そういった目安をきちんと説明してくれるかど
うかです。目安も何もなく、「まあ、とりあえずやってみましょう」というやり方は感心できません。
ゆとりのある病院であるか
第二のポイントは、きちんと医師が面談の時間をとれるだけのゆとりのある病院である
かということです。これはなかなか難しいことです。評判の良い病院は患者数が多いからです。しかし、その病院の抱えている患者の数がスタッフ数に比べてあまりにも多い場合、患者ひとりひとりにかけられる面談時間が、非常に短くなってしまうことがよくあります。これもよくきく話ですが、たとえば「不妊治療専門の病院に通っているけれど、一カ月先生に
お会いしたことがない」といったことがあるのです。このような病院では十分な説明や治療が期待できません。
紹介ルートを持っているか
また、より高度な治療が必要になったときに、そのルートを持っているかどうかも大切なポイントです。一生懸命治療して、たとえば体外受精が必要となった場合に、その治療ができる病院を紹介できないと、そこでずっと足踏み状態になってしまいます。
私たちが時々驚いてしまうのは、延々と5年くらい同じ治療を受けている患者さんがいるということです。本来だったらこの治療では無理だろうと判断しなければならないにもかかわらず、それより高次の医療機関とのパイプを持っていない病院では、そういうことがよく起きるのです。
自分の目で選ぶことが大切
それから最後に注意しなければならないことは、単に有名な病院だからという基準で病
院を選ぶと失敗するということです。有名だからといって実力があるとはかぎりませんし
、病院の規模以上の多くの患者さんを抱えていた場合、二番目にお話ししたように面談時
間が少なかったり十分な説明を受けることができなかったりして、ひどいところでは治療
自体がいいかげんなものになってしまうこともあるのです。
これらのポイントをふまえた上で実際に病院に行ってみて、自分に合った信頼できる病
院、医師を選んでください。もし、2、3年通って「この病院はおかしいな、いやだな。」と思ったら主治医の先生と納得が行くまで話し合って、それでも自分に合わないとわかれば、病院を思い切って変えるというのも好結果をもたらす一つの手段かもしれません。
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