産婦人科 森本義晴先生
主に不妊症・不育症外来を担当しています。最先端の治療技術を駆使して様々な治療を実施しています。決して諦めてはいけません。必ず赤ちゃんが抱けると信じて頑張りましょう。
平成11年11月30日(火)にIVF大阪クリニックの院長森本義晴が未成熟卵子から体外受精に成功し、新聞4代紙にプレス発表をいたしました。
 卵巣の中の未成熟の卵子を体外培養し、顕微鏡受精させる「未成熟卵子体外培養法体外受精」による国内初の妊娠が東大阪市のIVF大阪クリニック(森本義晴院長)で確認され、29日発表された。排卵誘発剤を使った従来の体外受精と違い、卵巣過剰刺激症候群を引き起こす危険性がなく、多嚢胞性卵巣症候群など排卵誘発剤の使いにくい不妊治療にも応用できるという。排卵機能が完全に止まった早発性閉経などにも妊娠の道が開ける可能性があり、不妊治療を大きく前進させそうだ。
 妊娠が確認されたのは32歳と33歳の2人の主婦。卵巣の外膜が肥厚し排卵できない多嚢胞性卵巣症候群のため妊娠できなかった。現在2人とも妊娠6週目に入り、33歳の主婦は赤ちゃんの心拍も確認でき、順調に育っているもようという。 

 今回の治療では、卵巣に内径0.5ミリの細い針を刺して未熟卵子を高圧吸引で取り出し、卵胞液と脳下垂体ホルモンを含む培養液で培養、成熟させた後、夫の精子と顕微受精させた。卵子を体外で成熟させるには、培養液の濃度と酸素の量 が成否を決めるといわれ、森本院長らスタッフは今年9月、すでに11の成功例をあげている韓国・ソウルのミズ・メッド病院のチョウ・ジュン・ヒュン博士のもとで、直接技術を学んだという。帰国後、多嚢胞性卵巣症候群患者11人に治療を施し、2人が妊娠。成功率は18.2%。成功例は世界でもまだ35例しかないという。

 現在、日本で不妊症患者は200万カップルといわれ、うち5ー10%が多嚢胞性卵巣症候群という。従来、手術で卵巣を切開するか、卵巣過剰刺激症候群の危険を冒して排卵誘発剤を投与するしかなかった。卵巣過剰刺激症候群になると卵巣がはれ、腹水がたまり苦しい思いをする事がある。
 同クリニックは、未成熟卵子より前の段階の原始卵胞を培養し体外受精する研究にも取り組んでおり、成功すれば、治療不可能とされていた早発閉経や、がんなどで放射線治療を受ける患者にも妊娠の道が開けるという。

(平成11年11月30日 産経新聞の掲載文より)